月報『マラナタ』19号巻頭言

説教:
きょうかいは、すべてをたしているかたのおられる

2019年10月20日
せつりつ131しゅうねんねんれいはいより

せっきょうしゃひきくに 牧師ぼくし
せいしょしょへん8しょう2〜10せつ
エフェソのしんへのがみ1しょう15~23せつ

國磨呂牧師 19.10.20

1、教会設立131周年を覚えて

 今朝は、本庄教会設立131周年を記念して礼拝を献げています。

 記念すべき日に、K兄、K姉をこの群れの会員として迎えることができたことは大きな喜びであります。共に神の家族として励んでまいりたいと願っています。

 今年の本庄教会の標語は「わたしたちは神の家族」であります。神の家族として、教会とは何なのかを御言葉に聞きたいと願います。

 今日の説教題は「教会は、すべてを満たしておられる方のおられる場」と長いですね。なぜ、こんな長い説教題をつけたのかと言うと、この言葉が今日のメッセージを一言で言い表しているからです。

 私たち神の家族が集う「教会とは、すべてを満たしている方の満ちておられる場」であるからです。「すべてを満たしておられる方」とは、イエス・キリストのことです。

 神の御子・イエス様は、私たち人間と同じようにして生まれてくださり、私たちのために神様の御心と愛を教えてくださり、ついには十字架にかかって私たちの罪を赦すための小羊としてご自身を献げられ死なれました。しかし、3日目に復活され40日間弟子たちに現れて、天の神様の御許に行かれました。そして御自身に代わる助け主として聖霊を送ってくださったのです。

 その復活されたキリスト・イエス様が、すべてを満たしておられる方として、この本庄教会の礼拝の場におられるのです。この目に見えない復活されたキリスト・イエス様を信じるのが私たちの信仰なのです。 

2、エフェソの信徒への手紙

 この手紙は、使徒パウロがローマの牢屋に捕らわれていた時、エフェソと小アジア(今のトルコに当たる地域)の諸教会に、回し読みしてもらうために書いた手紙だと言われています。前半の3章は、キリストによる救いの教えについて書かれております。後半の3章は、キリストを信じる者の生活の在り方について書かれています。

 今、読んでいただいた聖書の個所の1章全体は次のような内容になります。

  • 1~2節 挨拶
  • 3~14節 神の恵みがキリストにおいて満ちあふれる
     父なる神様は天地創造の前から私たちを愛して神の子にすることを定めていてくださったこと、御子なるキリストが私たちを罪から贖い、一切のものをキリストにおいて一つにされること、そして聖霊なる神様が私たちに御国を保証してくださることを記しています。
  • 15~23 パウロの祈り
     パウロは、神様が知恵と啓示の霊を与えて教会の人々の心の目を開いて下さり、神様に招かれた者の望み、神様のものとされた信徒たちの受け継ぐべき栄光、偉大な働きをなさる神様の力を知ることができるようにとの祈りです。すべてのものを支配されるキリストが教会の頭として与えられており、キリストの体としてすべてを満たしておられるキリストが満ちておられる場であることを記しています。

3、三位一体の神様の祝福と恵み

 一章の全体を見てみますと、パウロは、まず、三位一体の神様が教会に与えられた恵みを記しています。

  •  父なる神様は、天地創造の前から私たちを愛して、キリストによって選んで、神の子にしようと予定しておられたことです。このことを信じることができるとは、なんと驚くべき素晴らしいことでしょう。
  •  御子なる神様は、御自身の血によって贖われ、私たちの罪を赦してくださったのです。そして救いの業を完成させて、ユダヤ人も異邦人も世界中の人々が一つにされ、御国を継ぐ者としてくださったのです。
  •  神の家族と言うのは、本庄教会の礼拝に集まっている私たちではなく、世界中の礼拝を守っている兄弟姉妹が一つとなって神の家族とされているのであり、神の御国を継ぐ者とされているのです。
  •  聖霊なる神様は、私たちと共にあって、私たちが神の御国を受け継ぐ者であることを保証してくださっているのです。なんと素晴らしい祝福でしょうか。

4、人生の究極的な目的

 神様は、父なる神として、子なる神として、聖霊なる神として、三重の仕方で私たちの教会を祝福し、恵みを満たしてくださっているのです。

 この3~14節の中に「父である神が、ほめたたえられますように」、「私たちがたたえるためです」、「神の栄光をたたえるためです」、「神の栄光をたたえることになるのです」と4回も神様をほめたたえることが記されています。

 神様の祝福が私たちに注がれるのは、すべて、私たちが「神の栄光」をほめたたえるためなのです。ここに神の家族としての私たちの人生の究極的な目的があります。

 私たち本庄教会も、神様の栄光をほめたたえることに、しっかりと焦点を合わせて歩んで行きたいと願います。

5、知恵と啓示の聖霊を祈り求める

 パウロは、教会の人々の心の目が開かれ、神様に招かれた者の望み、神様のものとされた信徒たちの受け継ぐべき栄光、偉大な働きをなさる神様の力を知ることができるようにと祈りました。

 神様のことは神の聖霊の導きによる以外に知ることはできないのです。

 「わたしたちには、神が〝霊〟によってそのことを明らかにしてくださいました。〝霊〟は一切のことを、神の深みさえも極めます。」(Ⅰコリント2:10、11)と言われています。〝霊〟は聖霊のことです。

 私たちは、神様をより深く知るためには、「知恵と啓示の霊」を、即ち聖霊を与えてくださいと熱心に主に祈り、神様の深みを極めさせていただきましょう。

6、キリストによって現される神の力と支配

 神さまの力は、キリストにおいて働かれたのです。
 「キリストを死者の中から復活させ、天において御自身の右の座に着かせ、すべての支配、権威、勢力、主権の上に置き、今の世ばかりでなく、来るべき世にも唱えられるあらゆる名の上に置かれました。」

 復活されたキリストは、神様のあらゆる権威を受け、今の世ばかりではなく、来るべき世にも唱えられるあらゆる名の上に置かれて、すべてを御支配して下さっているのです。

 神様は、そのキリストをすべてのものの上にある頭として教会に与えられたのです。
 「すべてのものをキリストの足の下に従わせ、キリストをすべてのものの上にある頭として教会にお与えになりました。教会はキリストの体であり、すべてにおいてすべてを満たしている方の満ちておられる場です。」と言われています。

 ですから、私たちが礼拝を献げるこの教会の場に、復活されたキリストが御臨在し、私たちと出会ってくださるのです。

 罪のために滅ぶべきものであった者が、キリストと出会い、キリストを信じた時に、神の子とされ、祝福と恵みに満たしてくださるのです。

 教会は、すべてを満たしている方、復活のキリストのおられる場であることを信じましょう。

7、歴史を歩む教会が受け継ぐべきもの

 パウロは、第一コリントの手紙15章3節で、「最も大事なこととしてわたしがあなたがたに伝えたのは、わたしも受けたものです。」と言っていることを、10月6日の礼拝で取り次ぎました。

 この最も大事なこととは、次の3つのことです。

  1.  神の御子イエス様が私たちと同じ肉の体を取って生れてくださったこと、クリスマスの出来事です。
  2.  そのイエス様が33年間の生涯、神様の御心と愛を私たちに教え、私たちの罪を赦すために十字架の上で祈りつつ、その命を小羊の犠牲として献げて死なれました。しかし、神様は御子イエス様を3日目に復活させてくださいました。弟子たちと40日共に過ごして神様の御心と聖霊を受けて全世界に宣べ伝える者とされると告げられて、神様の御許に帰られました。イースター、十字架と復活の出来事です。
  3.  イエス様は御自分に代わる助け主として聖霊を降してくださり、イエス・キリストを信じる者たちは聖霊を受けて世界中にキリストの福音を宣べ伝える群れ、教会を誕生させてくださいました。ペンテコステ、聖霊降臨の出来事です。

 だから、私たち教会は、この二千年を越えて、クリスマス、イースター、ペンテコステの礼拝を大事に献げるのです。

 皆さんご存知だと思いますが、この3つの礼拝は、毎年献げられますが、同じ日にちではないのです。

 今日、転入されたK姉妹は、19**年のクリスマスに清水が丘教会で倉持芳雄牧師より洗礼を受けられました。私は、18歳の時、1961年のクリスマスに羽咋教会で杉山謙治牧師より洗礼を受けました。同じクリスマスの受洗ですが、K姉妹は、12月25日なのです。私は12月24日なのです。年によって主日クリスマス(クリスマスの週の日曜日)の日にちが違うのです。

 このように、年ごとに迎えられるクリスマス礼拝、イースター礼拝、ペンテコステ礼拝ですが、日にちが違い、その一つ一つに多くの兄弟姉妹の信仰の歴史が刻みこまれているのです。おそらく、多くの兄弟姉妹たちは、こうした記念すべき礼拝で洗礼を授けられているのです。

 K姉妹の受洗日が、19**年のクリスマスだったのですが、日にちを覚えていないと言うことなので、私の手元にある「大宮教会100年史」を見ると、19**年のクリスマスは12月25日だったと直ぐ分かったのです。

 ですから、教会の歴史において、クリスマス礼拝、イースター礼拝、ペンテコステ礼拝が、いつ守られたかを記し、残すことが大切なことなのです。ペンテコステ礼拝はクリスマスやイースターに比べてあまり重んじられていない時期や教会がありましたが、最近は重んじる教会が増えてきました。本庄教会も、この三つの礼拝を大事に書き記していきたいと願います。

祈り

父なる神様、

本庄教会131年の歩みを導き守ってくださり、ありがとうございます。あなたは、すべてのものを満たしている方として御子イエス様を二千年前に誕生させ、すべてのものの上にある頭として、教会にお与えくださいました。

神様の力がキリスト・イエス様を通して働いておられることを、クリスマス、イースター、ペンテコステの祝日礼拝を通して確認し、その恵みに生かされている私たちです。

本庄教会131年の歩みも、神様の力と恵みを証し刻む歴史であることを覚えて心より感謝いたします。記念すべき日にK兄姉を本庄教会の会員としてお迎えできたことを感謝いたします。共に神の家族として神の栄光を現すことができますように祝福し導いて下さい。

イエス・キリストの御名によって祈ります。

アーメン。

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